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2008年2月5日火曜日

民から民への天下りの弊害

朝日新聞
経済面
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◆企業経営
「民・民の天下り」を廃止せよ
佐伯弘文 神鋼電機会長

官から民への天下りの弊害は十分に言われてきた。
だが、親会社から子会社への天下り、すなわち民から民への天下りは、まともな議論を聞いたことがない。
私自身その天下り組みである。・・・

天下りの弊害をなくすベストの方策は、一刻も早く天下りを止めることに尽きる。
私は、我が社の天下りは自分の代で終えようと決め、親会社と交渉した。
改革も徹底的に行った。幹部も内部から登用した。人は育てるものだ。
彼らの目つきが変わったのを感じる。

親会社は長期計画のもとに子会社の人材育成に努めること、若手のときから親子間や
子会社間での人材の行き来を行うこと、そして親子を対等の立場におき、
子会社が真にやる気を起こす風土を作ること。日本中の子会社が活性化すれば、
日本経済が強くなるにちがいない。
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以下、まとめ

<天下り先の子会社のデメリット>
・短期間でトップが変わる
・業務経験なし
・従業員のモチベーション低下
・長期的な戦略をたてれない
・事なかれ主義や問題の先送り
・研究開発や新規設備投資にも不熱心
・短期間で成果のため、リストラや赤字部門を売却などの対症療法に走りがち。
・親会社に依存(トップを目指さない、最後はケツを拭いてくれる)

<親会社からの天下りのメリット>
・人材供給
・仕事量の確保
・信用力
・銀行借入保証 など

<欧米諸国は?>
・株主はじめ利害関係者の目が厳しく、安直な人事はできない。
 (日本の企業社会は甘い?)

<著書>
「親会社の天下り人事が子会社をダメにする」

<所感>
競争原理における天下りは、官だろうがだろうが許されず、
その気付きと実践については目から鱗だった。

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